くっついた欲の皮
ある所に貧乏だが、中の良い爺さまと婆さまが住んでいた。
ある日、婆さまが病気で亡くなってしまい、爺さまは悲しみにくれてお葬式を出そうとした。
ところが、この村の和尚は強欲で金のない者のために葬式を挙げようとはせず、爺さまを無視した。
仕方なく、爺さまは家の土間に穴を掘ってそこに婆さまを埋めようとした。
爺さまが穴を掘っていると、なんと馬の餌を煮るための羽釜いっぱい詰まった大判小判が出てきました。
小判を持ってきた爺さまを見た和尚は、打って変わって婆さまを亡くした爺さまを労り、立派な葬式を挙げてくれたのです。
しかしその晩のこと、欲張り和尚は爺さまの持っている残りの大判小判を奪おうと、飼っていたヤギを殺し、その皮を被り、化け物のフリをして爺様の家に押し入った。
爺さまは化け物の変装した和尚をみて気を失ってしまい、和尚はまんまと大金を奪った。
さて、寺に帰る道すがら欲張り和尚は大判小判の詰まった羽釜を引きずりながら、辻神様の前を通りかかった。
すると、辻神様の目の前に来た途端、ヤギの皮は和尚の身体にくっついて取れなくなり、声も「メェーメェー」としか出なくなり、和尚は本当のヤギになってしまった。
一方その頃、気を失っていた爺さまの夢枕に亡くなった婆さまが立ち、爺さまに最後のお別れを告げ極楽に旅立っていった。
翌朝、大金を持ったヤギを見つけた村人が大判小判を爺さまに返した。
しかし、そのヤギが欲張り和尚だとは気付く者は誰もいなかった。
とさ
革は鞣してから身につけましょうね。笑
ikazO